Oct 2, 2011

「柳井正の希望を持とう」を読みました。


柳井正の希望を持とう/柳井正
新書: 216ページ
発売日: 2011/6/13






株式会社ファーストリテイリング会長兼社長の柳井氏の著書を読みました。

本書は、2010年4月から1年間、朝日新聞土曜版「be」に連載されたコラムをベースに、
自身のメッセージをまとめたもの。

前半は日本の政治・経済のあるべき姿、指針といったマクロ的な視点で展開し、
中盤はファーストリテイリングの前身、小郡商事の修業時代の柳井氏の自伝的な内容。
最後にビジネスパーソンが時代を生き抜くための"指南書"のような内容。

「日本は経済敗戦したという現実を受け止め、希望を持って自己変革をしなくてはならない。」

という柳井氏のメッセージが込められた一冊でした。

個人的に印象に残ったフレーズを記していきます。
(耳が痛い話です・・・)

①仕事に向き不向きはない
"仕事について、「向いている」「向いていない」という。たいていの場合は錯覚だ。半年や一年やっていれば、展望は開けてくる。(中略)「得意じゃないから」と尻込みやえり好みも感心しない。
なぜなら、優秀な人は次から次へと新しい仕事を任せられるから、その仕事も乗り越えていかなくてはならないからだ。"


十分な経験もせず、向き不向きを判断することは確かにできない。
大抵の場合、現実から逃げたいがための言い訳かもしれない。

もし、心から成長したいと思うなら、仮に不向きだとわかっても、どうやったら乗り越えられるか、出来なくても別の形で挽回できないか。そして早く決めて実行することが突破口になると個人的にも思います。「出来るかできないか、ではなくやるかやらないか」というところ、仕事上多々あると思います。

ただ逆に半年、1年たってもできない場合はどうにかした方がいうことでもありますね・・・


②商売人には信用が大事
"仕事相手としてこういう人が良いと思ったのは「信用できる人」だった。期限を守らない人、何事にもルーズな人  とは一緒に仕事をしたくない。(中略)ビジネスの鉄則はまず自分が約束を守ること。"
当たり前のことだけれども、実行出来ているかどうかは別の話だし、100パーセント自分はできたと思っていても相手からすればできていないこともある。僕自身守れなかったこともあるし、その度に信用を失ってしまったこともあるだろう・・。

信用は得難く、失いやすいものだから何が何でも死守しなくては。


③国内にこだわるな、世界へ羽ばたけ

"国内に閉じこもるだけでは、刺激を受けないし、自らを相対化することもできない。新しいものが生まれてこなくなる。海外に出ていくことは、まちがいなく、新しいヒントが見えてくるチャンスの一つだ。"

外資系の会社にいたとき、常に感じていたことです。言語もバイリンガルが当然トライリンガルも普通でした。彼らは各国の経済やマーケティングにも詳しかった。
そもそも日本語は言語的にはマイノリティだから、得られる情報にもハンデがあると思う。やはり海外でもつうようする人材にならなくては飯は食えないのか・・と改めて思いました。


④「ひょっとしたら、できるんじゃないか」と自分を信じる
"(小郡商事時代に)私が持っていたものといえば、誇大妄想とも言える夢、目標だけだ。そして他人にはしゃべらなかったけど世界を相手に勝負をしようとずっと考えていた。ひょっとしたら、自分にはできるんじゃないかと思いこむところから夢は始まる。(中略)一軒のレストランで職人的に作っていたハンバーガーという商品をベンチャー企業家が産業化し、世界に普及させるストーリーに
自分の姿をかさね合わせた。"


何とも前向きな言葉で元気が出ますね。若かりし頃の柳井社長が目に浮かびます。
目標は高く持ち、達成するためには、地道な積み重ね、下準備が必要だと思いました。


⑤一勝九敗 -失敗を糧にして成長する-
"自分で体験して、これが原理原則なんだと実感しない限り、その後の行動指針にならない。私は失敗を「知った」のではなく「わかった」のだ。成功者とは失敗を重ね、それでいて楽観的に前進していく人のことだ。「ひょっとしたら自分の仕事は失敗の範疇なのではないか、今やっていることよりもさらにいい方法があるのではないか」自分自身にそう問いかけながら仕事をしてほしい。"

失敗してもいいけど、そこから何も学ばなくては成長しない。成功しているように見えても、常に自問自答を繰り返して、改善。現状維持は悪!ぐらいの気概が必要なのだと感じました。


⑥会社に依存せず、自らの付加価値を高める
"会社に入れば、仕事が降ってきて、それをこなしさえすれば、自動的に昇進、昇給していく、そんな時代はすでに終わっているのだ。グローバル化が進んだ現在、競争相手は世界中の企業や個人になる。彼らとの競争に勝たない限り、この先は食っていけない。"

③ともかぶりますが日本経済はシュリンクするし、加えて自分も人材というマーケットにさらされているんだと思うと危機感を覚えます・・。だからこそ会社に依存せず、どこでも通用する人間になりたいとおもいました。


日本の経済界でトップクラスの方の言葉にはかなり重みがありました・・・
今の自分の仕事力と重ね合わせて、気になったところは着実に身につけていきたいと思いました。

最後に、柳井社長おすすめの著作を挙げて、少しずつ、じっくり読もうと思います。

「イノベーションと企業家精神」(P・F・ドラッカー)
「プロフェッショナルの条件」(P・F・ドラッカー)
「幸之助論」(J・P・コッター)
「IBMを世界的企業にしたワトソンJr.の言葉」(トーマス・J・ワトソンJr.)
「一倉定の経営心得」(市倉定)
「ネクスト・マーケット」(C・K・プラハラード)
「語りづく経営―ホンダともに30年」(西田通弘)
「情熱・熱意・執念の経営」(永守重信)

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